読書
滅び逝くものの美しさが好きで、小林伸一郎さんの廃墟の写真集にもうっとりするのですが、この本は正直言って苦いものを食べてしまったような印象。どうもかすかに漂う”肝試し感覚”に違和感を覚えるのかもしれません。執筆者某氏のサイトにあった、私の好き…
あまり現代建築の本は読んだことがなかったのですが、知識のない私でも爆笑しまくり。”ほめ殺し”とはいうものの、そんなに毒も強くなく、というか、建築業界人は言えなくても、シロウトにとってはそうそうそうなのよ、とうなづくようなことが書かれていて面…
アメリカの1コマ漫画についてのあれこれ薀蓄と紹介。久々に読み返したのですが、やっぱり面白い。星さんらしいブラックな切り口が好きです。しかし、これって連載は40年前になるのですね。なのに、ちっとも古びていないところが面白い。古典的な笑いのツ…
ダン・シモンズ著,酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF 今更ながらハイペリオン。たしかに読むとシュライクと口走りたくなります(笑) 正直、上巻はいまいちのれなかったのですが、下巻に入ってカジシンぽいレイチェルの話やサイバーパンクなジョニィの話あたりでぐっ…
美しい本。といっても、所詮新書の紙なので印刷の質はいまいちなのですが、増田さんの美しい写真と、日本の先達たちが近代へ至る途中に作り出した美しい「未来」の欠片が、みっしりと詰まった一冊。ダム。橋梁。煙突。新しく美しく輝かしい何かを作り出そう…
asahi.comのコラムは読んでいたのですが、松葉一清さんって、建築がご専門の方だったのですか・・・。関東大震災後に自由な建築物が生まれた経緯が、なんとも面白いのです。そして、建築にこめられた主義主張の激しさに驚くばかり。しかし、現存する建築物が…
ティプトリーのプラチナファンタジー。剣と魔法のファンタジーだったらどうしよう、と思っていたのですが、幻想文学系ですね。海にまつわる幻想譚。こんなにティプトリーって、風景描写が巧かったっけ?と思うことしばし。すっかりキンタナ・ローの海の虜に…
超人類、意識、言語、そして、神。ひさしぶりにガツンと来るSFを読みました。しかも、すべての短編がレベル高し。どちらかといえばガジェット好きな私が、こうくるかー、というセンスオブワンダーにタメイキ。表題作は、不思議な語り口の謎が明かされていく…
「ぼんくら」の後日譚にあたる短篇&長篇。弓之助クンやおでこちゃんに再会できて嬉しい。長編は推理小説としての出来はイマイチですが、ってか犯人はすぐ察しがつくし、事件の真相はアレですが、宮部捕物作品は庶民のささやかな生活を丁寧に描くところに味…