最近の桜尽くし
たまには春らしい?リストを作ってみました。
初演の毬谷友子さん版。これを生で観なかったことは、一生後悔しそう。
満開の桜の下で微笑む毬谷さんの、可愛さと怖さ。
- 「贋作・桜の森の満開の下」野田 秀樹 新潮社
初演の脚本。野田さんは、私が天才だと思っている数少ない人間。
私が遊眠社にはまるきっかけとなった『野田版・国性爺合戦』 も収録。
贋作・桜の森の満開の下
「贋作・桜の森〜」のモチーフである「桜〜」と「耳男と夜長姫」を収録。
独特の安吾の世界。
- 「桜姫」近藤 史恵 角川書店
小菊さんシリーズ。梨園を舞台にしたせつない恋模様。大好きな1冊。
あまりの内容のアブナサに長らく上演禁止になっていた歌舞伎作品。
国立劇場で観た、染五郎クン扮する桜姫さまの”帯ぐるぐるあ〜れ〜”は
目の保養でございました(^^)
桜姫東文章 (歌舞伎オン・ステージ (5))
- 「桜姫」コクーン歌舞伎
で、今年のコクーン歌舞伎は、串田さんの「桜姫」です。
桜姫は福助さん。観たいけど、観たいけど、チケ取れなそう・・・
http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=001910&ks=15
「廃墟の歩き方 探索篇」栗原了 監修 イーストプレス(2005.4.3読了)
滅び逝くものの美しさが好きで、小林伸一郎さんの廃墟の写真集にもうっとりするのですが、この本は正直言って苦いものを食べてしまったような印象。どうもかすかに漂う”肝試し感覚”に違和感を覚えるのかもしれません。執筆者某氏のサイトにあった、私の好きな某建築物に忍び込んだ際の写真がさらに印象悪し。その頃には既に修復計画が公表されていたハズなのに・・。
で、廃墟というとかなり古いものを指すのかと思いきや、ほんの数年で荒れ果ててしまうものなのですね。滅びる前の姿を知っている場所があって、どきりとしたりして。やはり凄みがあって美しいのは、かつて深夜ドラマの舞台となっていて強烈なインパクトがあった軍艦島。美しい建物が朽ちていく名残の欠片、摩耶観。逆に、恐いのはやはり病院系。そして、生活していた残滓が濃厚に満ちている廃屋。私には、近代化遺産を愛でている方が向いているのかも。
- 作者: 栗原亨
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「東京現代建築ほめ殺し」建築三酔人 新潮OH文庫(2005.3.28読了)
あまり現代建築の本は読んだことがなかったのですが、知識のない私でも爆笑しまくり。”ほめ殺し”とはいうものの、そんなに毒も強くなく、というか、建築業界人は言えなくても、シロウトにとってはそうそうそうなのよ、とうなづくようなことが書かれていて面白い。
それにしても、東京カテドラル聖マリア大聖堂も丹下作品だったのですか。古澤巌さんの無伴奏バッハを聴くのに、これほど適した空間はないだろう、と思っていたのですが・・・あの「隙の無さ」が丹下作品の持ち味なのでしょうか。それにしても、国連大学が頭で都庁が足、って発想はすごすぎ。(丹下氏のご冥福をお祈りいたします)
東京現代建築ほめ殺し―「ウンコビル」から巨匠の代表作まで (新潮OH!文庫)
- 作者: 建築三酔人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/04
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「お願い」ラックシステム(ザ・スズナリ 2005.3.27)
ラックシステム10周年記念公演 其の参 作・演出:わかぎゑふ
とにかく隙のない脚本と演出が見事。廓の女の意地とせつなさ。笑いっぱなしなのに、やっぱり泣かされちゃいました。志保さん、美しすぎ・・・。真っ白い海軍の軍服と遊女たちの婀娜っぽい姿。時代を映した様々な人間模様が、花に群がる蝶のようにくるくると。
巧い役者ばかりで、目の保養。個人的には、大森美紀子さんのこういう婀娜っぽく凛として美しい役を見れたのが大きな収穫。いい役者なんですから、もっといろんな役に挑戦してほしい!それにしても、このお土産に関してはコメントに困ります・・・
「進化した猿たち」1〜3 星新一 ハヤカワ文庫JA(2005.3.23 再読)
アメリカの1コマ漫画についてのあれこれ薀蓄と紹介。久々に読み返したのですが、やっぱり面白い。星さんらしいブラックな切り口が好きです。しかし、これって連載は40年前になるのですね。なのに、ちっとも古びていないところが面白い。古典的な笑いのツボは、そう簡単に変わるものではなさそう。
- 作者: 星新一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1975/04
- メディア: 文庫
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保村大和プロデュース「ジョンとジョー」(下高井戸 不思議地底窟 青の奇跡 2005.3.20)
作:アゴタ・クリストフ,演出:保村大和,出演:保村大和、いずみよしはる、永井輝久
プラム酒!プラム酒!プラム酒!前回の難船小僧とはがらりと趣向の違うフレンチ・エレジー。保村さんの興味の幅が伺えて楽し。かみ合わない二人の「紳士」のやりとりの可笑しさに、金の不気味さが見え隠れ。星新一的な乾いたウイット。なるほど巧い。オシャレなフレンチテイストの演出に「がんばれ」「ファイト」の可愛さ。ボーイ役永井さんの笑顔◎。
- 作者: アゴタクリストフ,AGota Kristof,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1994/07
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「ハイペリオン」ダン・シモンズ ハヤカワ文庫SF(2005.3.14読了)
ダン・シモンズ著,酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF
今更ながらハイペリオン。たしかに読むとシュライクと口走りたくなります(笑) 正直、上巻はいまいちのれなかったのですが、下巻に入ってカジシンぽいレイチェルの話やサイバーパンクなジョニィの話あたりでぐっとハマりました。SFの様々な王道パターンをぶちこんで、なおかつラストにそうきたか〜と思わせるところが、さすがなのです。
でも、下巻になるまで、シュライク=百舌鳥と気付かなかった間抜けな私。何度も百舌と書いてあったのに。
- 作者: ダンシモンズ,Dan Simmons,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/11/01
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