「南国プールの暑い夏」KAKUTA(青山円形劇場 2005.5.15)

作・演出:桑原裕子
なんでもない会話の隙間ににじみ出る、その苦さとかしょっぱさとか、それをとろりと混ぜ込んだ塩飴の味。微妙な人と人との関係のせつなさの味が、喉の奥にじわりと広がってゆくような、暑い夏のお話。やっぱり、桑原さんはすごいなー、と。

「ROW BUDGET」Dotoo! ni POOL-5(駅前劇場 2005.5.21)

福田さんの脚本の、どんでんがえしと、ウィットと、ほんのりせつなさの見事な融合。いつも、ヤラレタ!と思って観てしまう。エンターテイメント性を求めるならコストパフォーマンスのとっても高い劇団だと思うのだが。POOL-5のメンバもいい味。ロッカーのすきまのひらひらが、なんともいえずににやり。

「不時着」水と油(グローブ座 2005.5.29)

美しい動き。センスのよさ。コミカルな笑い。そして、流れるような空間の構成。どれをとっても、計算されつくした美しい作品。セリフなんてひとこともなくたって、ストーリーは伝わる。われわれは言葉に頼りすぎているのかも。

「Deep Forest」G-up presentsVol.3(新宿SPACE107 2005.6.5)

作:ほさかよう 演出:板垣恭一
楠見薫さんの魅力がたっぷり。いい女優。ヘンゼルとグレーテルの怖さ。役者の巧さ。若手脚本家ほさかように期待。
(むかーし、劇団こってり「渡辺君の本音」を観たことがあるのですが、あれもほさかさんの作品だったのかな?若い劇団の中で、完成度の高さがダントツだったのですが)

「僕のポケットは星でいっぱい」演劇集団キャラメルボックス(シアターアプル 2005.6.8)

わがままな少年に振り回されるパターンにはもう飽きたんだよなー、と思いつつ、タイムトラベルラブロマンス好きとしては、うれしい作品。柿本家シリーズ、いいんですよねえ。銀河旋律も見たくなります。しかし、はるか先生にちょっとやられました。うーん、そうきたかー。

「広くてすてきな宇宙じゃないか」演劇集団キャラメルボックス(シアターアプル 2005.6.8)

おばあちゃん!!大森美紀子さん扮するおばあちゃんが欲しい!大好きな作品。まあ、いろいろと話の展開にうーんと思うところはあっても、大森さんのかわいいおばあちゃんがステキならそれでいいのです。

「仮装敵国」AGAPE STORE #10(サンシャイン劇場 2005.6.12)

※ 誤字脱字追放キャンペーン参加作品
演出/総指揮:G2 
脚本:長塚圭史倉持裕土田英生千葉雅子,故林広志,後藤ひろひとケラリーノ・サンドロヴィッチ
SFでもテーマアンソロジーが好き。なので、「仮装敵国」というお題での豪華脚本競演、素晴らしい企画でした。15分の短編とは思えない、完成度が見事。さすがはG2な演出。辺見エミリ嬢って上手いのですね。結構、意外!絶対に大王作品だ!と思った完成度の高さは見事。